ノモンハン戦争 田中克彦

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

ノモンハン戦争―モンゴルと満洲国 (岩波新書)

ノモンハン戦争は、辛亥革命ロシア革命とで引き裂かれたモンゴル族が、接触を図ろうとしたなかでの出来事、という視点は斬新だった。そして「田中メモランダム」という偽文書を元に日本の侵略意図を判断したソ連に対し、場当たり主義的な関東軍の対応は余りに拙劣であった。そしてモンゴルにとって、ソ連のほうがより深刻な被害をもたらしたのだ。著者の立場は「汎モンゴル主義」として、ソ連・ロシア、そして中国からも警戒されている。