新左翼とは何だったのか 荒岱介新左翼とは何だったのか (幻冬舎新書)作者: 荒岱介出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/01メディア: 新書 クリック: 77回この商品を含むブログ (30件) を見る

ブント系の組織で活動していた著者による新左翼運動の通史。中核・革マル革労協などからも距離を置いた視点がよかったのか。前衛と位置付けられた学生運動を中心に展開されるが、トロツキーの再評価からスタートしているだけに、神学論争に陥りやすく、容易に他党派を敵(たとえばスターリン主義とか)と決め付けて自派だけを優越させる傾向にあるようだ。革マル派が「社共の左翼的乗り越え」(すなわち乗っ取りか)を主張しているのに対し、中核派が「社共に代わる前衛党建設」を主張していること、革労協の評議会主義、すなわち自治会執行部を反帝学評が握ったり、解放派系の指導で地区労がストに入ったりすればそこに評議会政府が成立し、帝国主義政府との内戦となる、と内戦を必然化させる理論があった、というあたりは、参考に(何の?)なった。