兇弾 逢坂剛

兇弾

兇弾

とんでもない悪党なのに、なぜか感情移入できる不思議なキャラクター「ハゲタカ」。その未亡人が、また大変な人物だった。彼女がなぜ裏帳簿を入手しようとしたのか、その動機は今一つ明らかにされていないが、ハゲタカの女房ならやりかねない、と妙に納得させられる人物造型だ。著者が楽しんで書いているのが伝わってくる。ただ、ラストはないでしょう。どういうつもりなのだろう(それとも、どうするつもりなのだろう、か)。