一読した感想は、
在郷軍人会は、上層部は陸軍そのもので会員は一般階層であり、小作争議や
労働争議にも参加する、組織としての活動の実力は、大してなかったのではないか、というもの。良兵をつくって良民とし総動員体制に備えるということで組織されたわけだが、
自治的につくられてきた青年会や教育目的の青年訓練所との関係も、相当微妙だったことがうかがわれる。そして戦局が激化すると第二国
民兵まで会員に抱え込むこととなる。唯一の郷土防衛隊の実戦である
沖縄戦での隊員の逃亡が多かったことは、本土決戦でも同様の事態が起きたであろうことを示唆している。なるほど。