占いと中世人 菅原正子

占いと中世人―政治・学問・合戦 (講談社現代新書)

占いと中世人―政治・学問・合戦 (講談社現代新書)

日本中世の占いは、将来を占うというよりも過去の出来事の持つ意味を占う、という意味合いのようだ。権力が幕府に移るにつれて、占いも朝廷では数が減り、幕府で行われるようになる。算木を置くのが占いという意味合いも持っているようだ。算術は、一般に理解しがたく超能力的で、占いに通じたのだろうか。易は抽象的でなんとでも解釈できるだろうから、占う者の腕の見せ所、というより、現実的に役立つアドバイスができるだけの識見が求められよう。足利学校でも、儒学と並んで盛んに易が学ばれたと。戦国時代、合戦は偶然の要素が強いから、占いに頼るようになるのだろう。武田信玄が相当、こだわったようだ。