暴力団 溝口敦

暴力団 (新潮新書)

暴力団 (新潮新書)

法律でがんじがらめになった暴力団は、若者たちにとって魅力を失い、関東連合OBのような「半グレ」集団が、詐欺や薬物、闇金融などに進出し、しかも「堅気」なので一応は人権が尊重されるという厄介な状況のようだ。暴力団はある意味、知られてナンボ、の世界であるのに対し、半グレたちは隠密性が大事だと。そして、日本ほど暴力団に寛容な社会・法制度はないと指摘し、暴力団がなくなったらマフィア化するという怖れはないとし、毅然として対処すべしと。山口組取材が長く、組員に刺された経験もある著者だけに説得力がある。