勾留百二十日 大坪弘道

勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか

勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか

 
著者は、まったく証拠偽造などは知らず、そんな報告は受けておらず、不満分子の言うことを最高検が検察批判をかわすスケープゴートとして、特捜部長(そして副部長)を逮捕・起訴した、と主張する。人質司法を身を以て体験し、同期の弁護士やあまつさえ自らが捜査し起訴した相手から同情され励ましを受け(つまり非情・非道なことはしていないということを言いたいのだろう)、村木さんへの思いをはせ、検察幹部への怨みつらみ、友人と思っていた人たちの裏切りへの絶望、そして家族への愛をつづっている。なるほど。