エネルギーを選ぶ時代は来るのか NHKスペシャル「日本新生」取材班

総力取材!  エネルギーを選ぶ時代は来るのか (NHK出版新書)

総力取材! エネルギーを選ぶ時代は来るのか (NHK出版新書)

震災直後の停電の中、風力発電の実験設備として位置づけられた民家だけに電気が供給されていた。周りには供給できない。その法的な規制から、自然エネルギーの利用が、促進といいつつ電力会社の労使双方の強い働きかけで骨抜きとなり2%程度にとどまっている現状の背景の説明は、この国の絶望的ともいえる状況をあらわしている。すべては安定電力供給ということなのだが、それが過剰供給となりそこに安住する人たちの利権を産み、自然エネルギー開発を阻む。スペインやスウェーデンの取り組みも、問題点をはらみながらも少なくとも国策という国の意思が感じられる。どうやっていけばいいのか。またいつもの御題目になってしまうのだけど、「市民一人一人が自覚して」、エネルギーを選択できるようにしていかなくてはならないのだろう、たとえ多少高くなっても。