平清盛と後白河院 元木泰雄

平清盛と後白河院 (角川選書)

平清盛と後白河院 (角川選書)

清盛をひきあげたのは、正統王権でないという負い目を持った後白河であり、仁安元年(1166)11月の内大臣昇任が、事実上「皇胤」と認定され、摂関家の大殿としてもあわせ、二条親政に対抗すための後白河の「遮二無な優遇」であった。しかし、重盛が後継者と位置付けられた後に、高倉即位・宗盛への優遇と平家分裂への布石を着々と打っていく。常に自分優先の場当たり的とも見える後白河の行動の不気味さが浮かび上がってくる。