男が女を盗む話 立石和弘

男が女を盗む話―紫の上は「幸せ」だったのか (中公新書)

男が女を盗む話―紫の上は「幸せ」だったのか (中公新書)

伊勢物語』の「芥川」で、男性にとって都合のいい解釈と物語であることを指摘、『大和物語』の「安積山」では、略奪されてもいずれ女は男を愛するようになる、という物語が、そうせざるを得ない状況だと読み解いていく。死後、最初の男に負われて渡らなければならない「三瀬川」など、男幻想は甚だしい。それを前提に第3章で『源氏物語』を読み解いていく。第4章では、その派生状況を『更級日記』や『堤中納言物語』に見る。