異端の皇女と女房歌人 田渕句美子

式子内親王百人一首にもとられた恋歌は、男性の立場で詠んだ「題詠」であるとして定家との恋を一蹴、それでも穢れにこだわらず臣下の男性ともあいさつの歌を交わす型破りの皇女として捉える。宮内卿は、理知的な詠みぶり。俊成卿女(実際は孫)は、これも夫との離別の時期は読み誤りで前夫を慕う歌、という解釈は誤りと。長命で定家をも批判する、自負の強い女性。