時間の古代史 三宅和朗

時間の古代史―霊鬼の夜、秩序の昼 (歴史文化ライブラリー 305)

時間の古代史―霊鬼の夜、秩序の昼 (歴史文化ライブラリー 305)

夜は、視覚が働かない分、聴覚・嗅覚・触覚が働き、神や鬼の領分。昼は、視覚が優位に立ち、祭りも律令制以降の、服属を「見せる」ものは昼に行われる。そして夕は、夜に向けて鬼が活動し始める。朝は、夜に起こった出来事があらわになる。神は、見ることができないのは夜だからで、昼には蛇の形で現れたり、雄略天皇には見えたりする。武士は、秩序が失われた夜であっても、平致頼源頼信・頼義父子の説話のように、秩序だった活動ができる存在だった。