頼朝の時代 河内祥輔

頼朝の時代―1180年代内乱史 (平凡社選書)

頼朝の時代―1180年代内乱史 (平凡社選書)

示唆に富む。東国武士は内裏大番役を通じて宇治川合戦などに参加し、京の情勢に通じていること。以仁王は、高倉天皇の代打として親王宣下を受けないで出家しないという特異な存在であったが安徳天皇の誕生で以仁王の即位の可能性は後白河としてはなくなったこと、以仁王の令旨を持ち出すのが貴族社会にとって不快であることを気付いた頼朝。逆に北陸宮の即位の可能性を信じて安徳のいる京に攻め入った(逆に手駒のない頼朝は攻め込めなかった)義仲。法住寺合戦も北陸宮が法住寺を脱してからのこと。また義経屋島合戦は本来平家主力を殲滅すべき所