平安貴族 橋本義彦

平安貴族 (平凡社選書)

平安貴族 (平凡社選書)

「里内裏沿革考」は資料としてもよさそうだ。「女院の意義と沿革」は、最初屋敷が院号だった(東三条院)が、上東門院以降、門を使うようになり、内裏や大内裏、八省院を使うようになったことなど。「蔵人五位と五位蔵人」は、前者は六位の蔵人が叙爵するに伴い蔵人をやめたもので、枕草子にもある「式部の大夫、左衛門の大夫」などもそれになる。逆に大史や大外記が大夫史や大夫外記となって弁官局や外記局を統率し、これが大夫将監や衛門の大夫の尉になった、という話。「名字雑考」で、謀反人は当人と関わり無く朝廷が改名してしまう。保元の乱