平家物語の虚構と真実 上横手雅敬

平家物語の虚構と真実 上 (はなわ新書61)

平家物語の虚構と真実 上 (はなわ新書61)

平家物語がかなり史実と異なっていること、それでも虚構もある程度の史実に拠っていてある種、真実と言えること。それにしても六代は実は殺されていなかったのではないか、小松系は次々と脱落していったのではないかなどは興味深い。熊谷については、前に読んだ『源平争乱と平家物語』から刺激的なものを想像したが、こちらの方が書かれたのは先だったのか。頼朝の「受領病」という表現もおもしろい。