王朝の権力と表象 服部早苗・編

▽過差は、天地の秩序を乱すことで王としては制御しなければならず、摂関も廷臣としては協力しなければならないが、逸脱の欲望が本質、左右に揺れる。逆に過差を認めることが権力者。▽馬は摂関家が押さえ、貴族社会への供給源ともなっていた。競馬は院に止められたりして権威の象徴。春日や賀茂への長者の参詣の際に行われる。馬の産地に家司を任じて確保したか。▽童舞は、呪術性というよりも娯楽性が高いが高級貴族にとって子弟の舞が見事に演じられることの社会的意義。当人たちにとっての兄弟同士の競争における意義。▽庭は権力の表象。石は決して単に富裕なだけでは手に入らない。志の世界。

王朝の権力と表象―学芸の文化史 (叢書・文化学の越境)

王朝の権力と表象―学芸の文化史 (叢書・文化学の越境)