創価学会 島田裕巳  

創価学会という巨大教団、巨大な村を生み出したのは、日本の社会にほかならない」。高度成長で故郷の村を離れた次男・三男が、大企業や官公庁にも就職できない従って労組や企業の保護も受けられない層にとっての村代わりが学会であり、徹底的な現世利益追求で、霊に対する信仰が希薄。確かに学会がなければ都市下層に革命思想が浸透したかもしれない。その頃は他宗教団体や左翼陣営からの批判が主体で保守陣営からの学会批判がほとんどなかった、というのもうなづける。個人的には、天皇崇拝・神社と長いものに巻かれろ式日本で、少数勢力としての学会の存在は、むしろいいことかとも思うが。子供に信仰を受け継がせることに学会だけが成功していると言うのは、わかりにくい。学会で成功した要件は立正佼成会霊友会でも同様と思うのだが。

創価学会 (新潮新書)

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