インフルエンザの世紀 加地正郎

インフルエンザのAとかBとかHとかNとかの意味がわかった。
特にH(ヘムアグルニチン)が健康な細胞にとりつく突起、N(ノラミニダーゼ)が感染した細胞内を食い破って増殖していくときの突起で、予防のワクチンにはHが重要、タミフルなどは、Nの働きを阻害するので全てのインフルエンザに有効、という理屈は、不勉強ながら初めて知った。また、ひところ予防接種不要論をよく聞き、実際小中学校の予防接種がなくなったが、▽学校が流行を増幅する場になっている、というある地域の事例を全てに押し広げたこと、▽インフルエンザとカゼの区別が十分でなく、ワクチンを接種した後のカゼにかかったものも「インフルエンザにかかった」=効果なし、となった疑いも多いこと、などだそうである。このあたり、ワクチンは効かない、という論者の本も読んでみたいとは思う。