『
小右記』を主な史料に、記された貴族たちの乱暴ぶりを紹介する。王朝貴族の暴力というと、
藤原行成の被り物を奪ったという実方くらいしかピンとこなかったが、実はどうして、
道長を筆頭に、下の者にはほとんどやりたい放題、上のものにも増長すればやりかねない、というごろつきのような連中だ。花山
法皇の門前など、主人の威光が貶められたと感じるやさっそく実力行使にかかる従者たちも従者たちだが。そして、
小一条院など、
三条天皇系の暴力には、
道長系に圧迫され受領たちにナメられていた腹いせ、など、背景も解説されている。