改革の技術 田中成之

“改革”の技術―鳥取県知事・片山善博の挑戦

“改革”の技術―鳥取県知事・片山善博の挑戦

透明性・公開ということで腹をくくることで一連の改革を成し遂げつつある片山知事。しがらみとの衝突をおそれなければ、道は自ずと開けてくる、ということか。それに際しては、一度にやり玉に挙げるのは一つ(鳥取環境大、美術館、カニ博物館などを個別撃破)、放言は県外の組織・人物に向ける(ホテル税・ウラン残土・東芝)というテクニックを駆使する。時には姑息。危機管理についての図上訓練の実施や、予算査定など査定の時間は桁数に反比例する、というのは自らの業務に振り返って参考になる。地域総合整備事業債(地総債)・臨時財政対策債(臨財債)など、国が地方のモラルハザードを引き起こすような仕組みを進めてきたこともわかりやすく記されている。着任翌日の地方債自由化発言も、こうした流れだったか。ある程度の知識もあった分野だがかなり整理できた。