獄中記 佐藤優

獄中記

獄中記

未決勾留を勉強の場ととらえ、哲学書を中心に積極的な読書を重ね、国策捜査への思索を深める。ヘーゲルの『歴史哲学講義』における下人(従僕)根性、すなわち、英雄の長靴を脱がしてやる従僕から見ればどんな人物も平均的な人間にされてしまう「従僕の目に英雄なし」という言葉は含蓄がある。「検察官は、下人根性で人を見るのが仕事なので、彼らに歴史や政治はわからない」とも。