悪人 吉田修一

悪人

悪人

読ませる。一件の殺人事件。その関係者、事件の背景、ちょっとした見栄と行き違い。もちろん本当の「悪人」は明らかなのだが、そして腹立たしく不快な人物なのだが、ワイドショーを見ている第三者のすなわち我々の右代表でもあるのかもしれない。事件の当事者でなければわからない苦しみをさまざまな登場人物の独白と視点で描く。ところで、登場人物たちは誰にしゃべってるの?警察にしては不自然だし。