敵影 古処誠二

敵影

敵影

偽名、生き残った者・死んでいった者・圧倒的物量の米軍と引き付けて勝負を挑むしかなかった日本軍とそれを象徴する監視兵と班長との試合。よく出来た、計算された、調味料だけの読ませるけれどどこか味気ない物語を引き締めたのがラストだ。女学生たちのしたたかさだ。生命力、というものか。たしかにその光景を目の当たりにしたら、徹底抗戦も何もないだろう。