ホワイトカラーは給料ドロボーか? 門倉貴史

ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)

ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)

▽まず前提として、日本のホワイトカラーの生産性は、低くない。闇労働参加者の割合は小さいし、デフレにより国内需要が減退したために見せかけの現象として下がったことも考えられる(駐車場に駐車する車が少なければ、管理人の生産性は上がらない)。▽決して低いとは言えない日本のホワイトカラーの生産性を前提に、さらに向上させようとすれば、平均ではなく個々の生産性を向上させることに努めなければ、結局有能なホワイトカラーがさらに過重となり、意欲のない無能なホワイトカラーの生産性は変わらないまま、ということになりかねないと。ホワイトカラー・エグゼンプションは、企業がホワイトカラーの生産性を適確に評価し、労働者のエンプロイアビリティが高まって労働市場の流動化が実現した時にこそ導入すべきであると。卓見である。