碁を打つ女 シャン・サ

碁を打つ女

碁を打つ女

満州貴族の流れをくむ美少女「わたし」と新興日本の誇り高く繊細な青年将校「私」。交わることのない二人が、お互いが何者かを知らぬまま、碁の対局を通じて心を通わせる。短い抑制された文章のなかに驚くほど大量のドラマ(「わたし」の処女喪失・堕胎・抗日運動・逃亡など)が詰め込まれている。大変な傑作だとは思うが、ラスト(これがいいと評価されているようだが)が、陳腐だという印象がどうしてもぬぐえない。ではどういう終わり方があるのかと問われると困るのだが。