皇帝ニコライ処刑 上・下 ラジンスキー

皇帝ニコライ処刑―ロシア革命の真相〈上〉

皇帝ニコライ処刑―ロシア革命の真相〈上〉

皇帝ニコライ処刑―ロシア革命の真相〈下〉

皇帝ニコライ処刑―ロシア革命の真相〈下〉

宗教の違いからなかなか結婚できない王女への想いを持ち続けたナイーブな男・ニコライが受けた悲劇。ロシア革命の全体がいま一つ見えないのも、ツァーリの視点からでいかに彼が現実から疎隔されていたかを表している。銃殺に至る経緯、埋葬の謎を古文書や参加者の遺族からの聞き取り、手紙、元情報機関員の来訪者の情報などからたどっていくくだりは、迫力満点である。ダイヤモンドを縫い付けたコルセットにより、皇女がすぐには落命しなかったこと、遺体が9体と2体少ないことを取り巻き、乱れ飛ぶ推測。