内なる殺人者 ジム・トンプスン

内なる殺人者

内なる殺人者

ルーは、何の罪悪感も持たずに人を殺す。一応、兄の敵討ちと父の無念を晴らすという動機はあるが、その動機はほとんど殺人にとって必要ではないかのようだ。「サイコパス」というものであろうか。その心理描写を淡々と表現しているのがいいといえばいいが、「証拠」については、「たぶんこれを読んでいる者は最初から真相に気づいてたんじゃないかな」その通りで、その点が興ざめである。