静かな爆弾 吉田修一

静かな爆弾

静かな爆弾

主人公は、テレビ局のドキュメンタリー番組のディレクター。耳の聞こえない女性を愛することにより、「音」「言葉」の持つ役割とその不十分さを日常のやりとりの中から、まさに「実感」していく。並行して描かれる、アフガニスタンタリバン政権による大仏破壊映像を追っての動きとの対比で、ふたりの関係が、大切に、描かれる。中盤からなんとなく破局を予想させ、実際そうなりかかるが、ラストは救われる。感動作。