独身手当 若林亜紀

不祥事などの分限休職を「勤務成績不良手当」とするなど、やや意図的な表現もあるが(公務員が恵まれているのは確かだろうが、「手当」と表現すると本給に加えてさらにもらっているような印象をもつ)、結婚祝い金との調整、とはへ理屈もいいところの手当である。信託銀行から中央官庁に出向した知人から、法律を作る、行政指導をするというときの最大の眼目は外郭団体を作り天下り先を確保することにあり、そのために局益(たいがい省内の権限争いが生じるケースにとどまるらしく、「省益」レベルの争いまでいくことは彼の経験では少なかったようだ)の調整に時間と神経の大半を費やすらしい。仮にキャリア官僚が長時間労働していたとしても、これでは評価できまい。