群青に沈め 熊谷達也

群青に沈め―僕たちの特攻

群青に沈め―僕たちの特攻

盗作騒動後、最初に出版された本ではないか。どちらかと言えばあまり語られてこなかった伏龍特攻隊について、若く状況に適合しやすい人物を造型して、次々起こる悲劇を深刻にならずに日常と化してしまった出来事として描いている。海軍から賄賂を要求する民間人など、なかなかしたたかである。参考文献からどれだけ引用があったかはわからないが、この本の場合は、参考文献の著者から「ご教示と励ましをいただ」いているようだ。ムジャヒディンでもそうしていればよかっただろうに。それとも話がこじれたのか。