私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。 島村英紀 

私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。 (講談社文庫)

私はなぜ逮捕され、そこで何を見たか。 (講談社文庫)

淡々と、といっていいくらいに拘置所の生活を語っている。無罪推定の未決にしてこれだから、刑務所はもっと甚だしいのだろうか。看守からしたら、ほとんど有罪確定と同じ連中、ということなのだろうが。ラジオニュースについては、なるほど、そういう受け取り方もあるか、と感じた。あと、レトルト食の大量需要者は、刑務所や拘置所、病院ではないか、なぜか味の素が多い、などの記述にユーモア精神を感じる。唐突な保釈。人質司法。もし本当に執行猶予つき有罪判決が、裁判長なりの被告人を救おうと(控訴審実刑を科されないように)下したものだとしたら、日本とはどんな社会なのだろう。