傀儡 坂東眞砂子

傀儡

傀儡

宝治合戦の敗者の復讐を、その敗者が焼き畑の民の山村を殲滅したという恨みの「入れ子」構造にして、それをそれぞれの当事者と絡む芸人の目から描く。そこに西域からやってきた異相の行者とそれを慕う念仏集団が交差する。物語のもう一つの視点はこの行者である。「傀儡」と「空」という二つの言葉を軸に物語が展開する。ぐいぐい読ませるが、終わり方はちょっと。