2008-10-27 運命の日上・下 デニス・ルヘイン 読んだ本 運命の日 上 (ハヤカワ・ノヴェルズ)作者: デニス・ルヘイン,加賀山卓朗出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/08/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 37回この商品を含むブログ (25件) を見る運命の日 下 (ハヤカワ・ノヴェルズ)作者: デニス・ルヘイン,加賀山卓朗出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/08/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (22件) を見る絶賛されるだけのことはある、読み応え十分な大作。第一次大戦とロシア革命という、共産主義への恐怖とテロの跳梁にアメリカ社会の通低音ともいうべき人種問題をからめ、それをベーブ・ルースを登場させて引き込む巧みさ。プロローグの、ワールドシリーズ出場両球団の選手チームが黒人チームに押され、ついにはズルを押し付けて勝利をもぎとる、それは人種問題だけでなく警察官ストライキでの支配側の対応(クーリッジ知事やおそらくフーヴァーによる新聞操作)をも暗示しているのか。主人公の名付け親で父親の親友・エディ・マッケンナのコグリン一家に対する、ひょっとしたら当人も気付いていないかもしれない秘められた憎悪の描き方もいい。