講座日本史2封建社会の成立 歴史学研究会・日本史研究会編

「10世紀から13世紀の東アジアと日本」(三浦圭一)。高麗の文宗・宣宗時代、正式な記録に残っている日本人の渡航は20回を数え、日本国使・薩摩州使・壱岐勾当官・対馬島使などを称するものが多かった。太宰師・平惟仲は、徴銀使として府官門司別当を宇佐宮の土地に派遣して対馬銀を採掘する費用に充てようとして罷免される。12世紀に入ると宋との貿易が盛んになって高麗との貿易は衰えるが、宋の海商は博多や越前、但馬などに多く住み、在地の有力者と混血していた。