中世王権と支配構造 中原俊章

中世王権と支配構造

中世王権と支配構造

官方・外記方・蔵人方。十世紀以後、経済危機の中で弁官局は、大蔵省・民部省・大炊寮・主殿寮・掃部寮・木工寮・修理職などの別当として経営に関わった。外記政は、官方の申政、外記方の聴政・請印の原則で処理された。蔵人方は、天皇の家政機関として出発し、経済的な動きはするが、政務には関与しない。代わりに、蔵人が弁官を兼帯するなど、人脈を通じて太政官機構を掌握しようとした。