失敗の本質 戸部良一ほか

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

旧日本軍について、ノモンハン・ミッドウェー・ガダルカナルインパール・レイテ・沖縄の6つの作戦をケースに組織・行動の欠陥を検証していく。日露戦争の戦訓から白兵主義(実は火力が決め手だったのだが、ロシア側も白兵に力を入れていたことが戦後、白兵で勝った、となってしまったらしい)と大鑑巨砲主義、陸軍の対ソ連と海軍の対米国(最終的な戦争目的にずれが生じる)などに極度に過剰適応して環境の変化についていけず、生産力の不足から精神性重視と一点豪華主義の兵器、積極的な作戦に出れず(第一次ソロモン海戦で敵輸送部隊を見逃した三川艦隊やレイテ海戦で反転した栗田艦隊)、結果でなくプロセス重視や面子重視で出先を止められなかったノモンハンインパールと。やはり負けるべくして負けている。