江戸幕府 北島正元

日本の歴史 16 江戸幕府

日本の歴史 16 江戸幕府

徳川家康の生涯と重ねる形で江戸幕府成立までの歴史をたどる。著者は本能寺の変関ヶ原の合戦も、光秀も三成も「天下を欲しかったのであろう」と簡明に断じる。実際はそんなものなんだろう。「貿易将軍とキリシタン」の章での対馬・宗氏の国書偽造と柳川一件、「慶長期の民衆と文化」の章での「かぶき者」大鳥居逸兵衛と芝山事件の話など興味深く読んだ。とくに、かぶき者と下剋上思想が結びついて幕府の身分制秩序に抵抗し、幕府の打倒をも企画していたふしもあるというあたりなど。