おまけより割引してほしい 徳田賢二

おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 (ちくま新書)

おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 (ちくま新書)

値ごろ感を、分子=価値、分母=費用と分析し、「おまけ」は分子を大きくする戦略、「割引」は分母を小さくする戦略で、人は喪失に関するコスト意識が高いから分母をできるだけ小さくしていく方が、同じ費用であれば合理的だと。また牛丼の290円から280円への値引きはお釣りの10円玉の数が1枚から2枚へと倍増するから効果的だが、280円から270円への値引きはさほどの効果がないというのも、わかりやすい。「ついでに」という行為が時間コストがゼロであることにより値ごろ感が高まることなど。分子を高めることは難しいが分母を小さくすること、そして分母となる要素は価格とは限らないこと(時間・手間)か。ユーモラスな語り口でわかりやすい。