ジョージ五世 君塚直隆

兄の急死を受けて急きょ皇太子となり、第一次大戦アイルランド自治権をめぐる内外の危機を乗り越えたジョージ5世。ロイド=ジョージなどの力量があったのかもしれないが、不仲で信頼を置かず、かえって労働党マクドナルドを篤く信頼している。世界恐慌の際の対応は、やはり民主主義国の立憲君主としての枠を超えたものであり、結果としてよかったからといって、調停者が血統のみに依存しているのは問題であろう。もちろん、日本のように調停者不在という事態は好ましくないわけで。ドイツやイタリアのような大統領の存在が必要か。日本の皇室が抑制的に振る舞っているのは大変に結構なことである。