古代豪族と武士の誕生 森公章

古代豪族と武士の誕生 (歴史文化ライブラリー)

古代豪族と武士の誕生 (歴史文化ライブラリー)

古代豪族が、郡司として国司と協力・対立・利用の関係のなか、やがて騒乱を経て棟梁クラスの武家に従う武士になっていく。郡司任用の多様化は、冒頭で出た都で仕えていた舎人や兵衛の登用を可能にした擬任郡司など豪族間の郡司の地位をめぐる争いにつけこんだ、徴税不足を綱領郡司に押しつける国司側の動きや、受領国司を訴えたり任用国司と連携して襲ったりする郡司側の動きも。やがて武芝事件での将門のように、郡司と国司あるいは郡司層どうしの対立の調停などを通じて、家礼として組織されていくのだろう。