2014-02-10 民主化のパラドックス 本名純 読んだ本 民主化のパラドックス――インドネシアにみるアジア政治の深層作者: 本名純出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/10/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るスハルト独裁からハビビ、ワヒド、メガワティと移行期、そして2回の直接選挙で選ばれたユドヨノの3期にわたり、民主化の過程とその裏側にあるものを描き出す。「安定」とは、「問題の温存」とコインの裏表であること、与党化した政治家が次々に汚職にまみれ、軍や警察は暴力をアウトソーシングする。ゴルカルについて、党首交代を叙述する際、「時の政権が提供する政治経済的資源への特権的なアクセス」を「心臓」にたとえ、「心臓の働きをしないリーダーには誰もついてこない」とは、インドネシアの組織論として、かなり汎用性があるのではないか。